2025/12/14
じゅくのすけ編集部
体験授業は、塾と生徒・保護者が初めて直接触れ合う重要な接点です。Webサイトやチラシでどれだけ魅力を伝えても、実際の授業体験が期待を下回れば入塾には至りません。
一般的に、体験授業後の入塾率は30〜60%程度と言われていますが、この数字は体験授業の設計次第で大きく変動します。入塾率が高い塾と低い塾の差は、授業の質だけでなく、体験授業全体の設計にあります。
本記事では、入塾率を高めるための体験授業の設計方法を、事前準備から当日の進行、事後フォローまで体系的に解説します。
体験授業では、授業を受ける生徒と、入塾を判断する保護者の両方を意識する必要があります。
生徒が求めるもの
保護者が求めるもの
この両者のニーズを満たす設計が、高い入塾率につながります。
体験授業の最大の目的は、生徒に「この塾なら成績が上がりそう」と感じてもらうことです。そのために最も効果的なのが、授業中に小さな成功体験を積み重ねることです。
難しすぎる内容で挫折感を与えたり、簡単すぎて物足りなさを感じさせたりせず、「少し難しいけど、できた!」という体験を設計しましょう。
体験授業で終わらせず、入塾後の学習プランを具体的にイメージさせることが重要です。「この塾に通えばこうなる」という未来を示すことで、入塾への決断を後押しします。
体験授業の申し込み時に、以下の情報を収集しましょう。
| 収集項目 | 活用目的 |
|---|---|
| 学年・通学校 | 使用教材・カリキュラムの把握 |
| 現在の成績・課題 | つまずきポイントの予測 |
| 体験希望科目 | 準備する内容の決定 |
| 塾を探している理由 | ニーズの把握 |
| 保護者の要望 | 面談での訴求ポイント |
この情報を基に、一人ひとりに合わせた体験授業を設計します。
通常授業をそのまま体験させるのではなく、体験授業専用のカリキュラムを用意しましょう。
効果的な体験授業カリキュラムの要素
合計60分程度で、「わかった」「できた」という実感を持たせる構成が理想です。
体験授業を担当する講師には、以下の情報を必ず共有しましょう。
講師によって体験授業の質にばらつきが出ないよう、標準化されたフォーマットやマニュアルを整備することも重要です。
体験授業に保護者が同席するかは、塾の方針や生徒の年齢によって異なります。
保護者同席のメリット
保護者同席のデメリット
一般的には、小学生は同席、中高生は別室待機が多い傾向にあります。別室待機の場合は、待機スペースで塾の資料を見てもらったり、教室見学をしてもらったりする工夫が必要です。
最初の10分で信頼を築く
体験授業の冒頭が最も重要です。緊張をほぐし、「この先生なら安心」と感じてもらうために、以下を意識しましょう。
つまずきポイントを見つけて解消する
診断問題を通じて、生徒がどこでつまずいているかを特定します。そして、その1つのポイントに絞って丁寧に解説します。
例えば、数学が苦手な中学2年生なら、現在学習している内容よりも前の単元(1次方程式や比例など)でつまずいている可能性があります。そのポイントを発見し、理解させることで、「わかった!」という体験を提供できます。
小さな成功体験を積み重ねる
授業中は、以下のような声かけで成功体験を強化しましょう。
生徒が自信を持てるよう、ポジティブなフィードバックを意識的に行います。
体験授業後の面談は、入塾率を最も左右する重要な場面です。
面談で伝えるべき3つのポイント
今日の授業での発見
具体的な学習プラン
成績向上の見通し
面談の進め方の例
1. 授業の様子を報告(5分)
2. 保護者の質問・相談に回答(10分)
3. 入塾後のプランを提案(10分)
4. 塾のシステム・料金説明(5分)
5. 次のステップの確認(5分)
面談は30〜40分程度を目安に、保護者が納得するまで丁寧に対応しましょう。
体験授業後、できれば当日中、遅くとも翌日には電話またはメールでお礼の連絡をしましょう。
お礼連絡で伝えること
この連絡があるかないかで、保護者の印象が大きく変わります。
体験授業後、すぐに入塾を決めない保護者も多くいます。その場合は、以下のような対応が効果的です。
追加の体験授業を提案する
「もう一度別の科目も体験してみませんか?」と提案することで、検討期間を長くせず、接点を保つことができます。
期限付きの特典を用意する
「今月中にご入塾いただければ、入塾金無料」などの特典を設けることで、決断を促すことができます。ただし、過度な値引きは塾の価値を下げるため注意が必要です。
他の保護者の声を共有する
同じような状況から成績が向上した事例を共有することで、入塾後のイメージを持ってもらいやすくなります。
体験授業後に入塾に至らなかった場合は、その理由を分析し、次の改善に活かしましょう。
| 入塾しなかった理由 | 改善策 |
|---|---|
| 料金が高い | 料金体系の見直し、価値の伝え方を改善 |
| 他塾と比較中 | 自塾の強みの訴求を強化 |
| 子どもが乗り気でない | 授業内容・講師の相性を見直し |
| 成績向上のイメージが持てない | 具体的な事例・データの提示を強化 |
| 通塾の時間が合わない | 時間割の柔軟性を検討 |
可能であれば、入塾に至らなかった保護者にアンケートや電話で理由をヒアリングすることをおすすめします。
体験授業の入塾率を継続的に改善するために、以下のPDCAサイクルを回しましょう。
このサイクルを月次または四半期ごとに実施し、データに基づいて改善を重ねることで、入塾率は確実に向上します。
新規の生徒に対して、既存生徒と同じ授業を受けさせるだけでは、塾の魅力は伝わりません。
対策: 体験授業専用のカリキュラムを用意し、「わかる」「できる」体験を設計する。
授業は良くても、その後の面談で保護者の不安や疑問に答えられなければ、入塾には至りません。
対策: 授業担当講師とは別に、教室長やベテラン講師が面談を担当し、十分な時間を確保する。
体験授業後の連絡がないと、保護者は「関心を持たれていない」と感じ、他塾に流れてしまいます。
対策: 体験授業翌日までに必ずお礼の連絡をし、検討状況を確認する。
講師によって体験授業の進め方や質が異なると、塾全体の信頼性が損なわれます。
対策: 体験授業マニュアルを整備し、講師研修を定期的に実施する。
特徴
設計のポイント
効果的な内容例
特徴
設計のポイント
効果的な内容例
特徴
設計のポイント
効果的な内容例
診断テストの目的
効果的な診断テストの作り方
体験授業後の面談で、具体的な学習計画シートを提示すると効果的です。
学習計画シートに含める要素
視覚的にわかりやすいシートを用意することで、保護者の不安を解消し、入塾後のイメージを具体化できます。
事例集に含める情報
同じような状況の生徒の成功事例を示すことで、「うちの子もできそう」という期待を持ってもらえます。
コミュニケーションスキル
授業運営スキル
保護者対応スキル
ロールプレイング研修
模擬体験授業の実施
事例検討会
体験授業は、単なる「お試し」ではなく、生徒と保護者が塾を信頼し、入塾を決断するための重要なプロセスです。
入塾率を高める体験授業の5つのポイント
これらを実践することで、体験授業の入塾率は確実に向上します。
体験授業は、塾の教育力と対応力が試される場です。一人ひとりの生徒と保護者に真摯に向き合い、「この塾なら安心して任せられる」と感じてもらえる体験を提供しましょう。それが、持続的な生徒募集と塾の成長につながります。

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